「ん……」



水澤先生は自販機から取り出したオレンジソーダを私に差し出してきた。



「あ、ありがとうございます」



それを素直に受け取る私。


水澤先生は再び自販機にお金を入れて缶コーヒーのボタンを押した。



「じゃあ、気を付けて帰れよ?」



水澤先生は缶コーヒーを取り出しながらそう言った。



「…………と、言いたいとこだけど」



水澤先生はそう言って私を見た。



「はい?」


「下校時刻もとっくに過ぎてるし外も暗い」


「はぁ……」


「大倉は一応女子だしな」



水澤先生はそう言ってクスリと笑った。


一応って……。



「送って行ってやるから、そこで待っとけな?」


「はい」



…………って、いやいやいや、それはダメでしょ?



「電車で帰りますから大丈夫です」



水澤先生に送ってもらってるとこを誰かに見られたら……。



「いいから待っとけよ?」



水澤先生はそう言って校舎の中に入って行ってしまった。


えぇぇぇ!!


どうすんの、私。


私は自販機の横に置いてあったベンチに倒れ込むように座った。