資料室がある第2校舎を出て、私たち生徒が使っている第1校舎に行く途中にある自販機の前で水澤先生は止まった。
私も思わず足を止めてしまった。
「好きなの選べよ」
水澤先生は私の方を見てそう言った。
「えっ?」
「片付けを手伝ってくれたから奢ってやるよ」
先生はスーツのズボンの後ろポケットから財布を取り出す。
「どれがいい?」
「あ、えっと……」
「早く選べよ」
水澤先生の言葉に私は自販機の前に行き、水澤先生の隣に立った。
「じゃあ……これ……」
私はペットボトルのオレンジソーダを指差した。
水澤先生は財布から小銭を出して自販機に投入する。
私が指定したオレンジソーダのボタンを押した。
飲み物が押し出される音が響く。
水澤先生はオレンジソーダを取り出した。



