ビンタしたことをいつまで根に持ってんのよ。
「水澤先生、離して下さい」
「離したら逃げるだろ?」
「逃げませんよ」
「ホントか?」
「信用して下さい」
水澤先生は私の言葉に手を離した。
足がよろけそうになったけど、何とか持ち堪えた。
私はカバンを開けて中をゴソゴソ漁る。
えーっと、確かここに……。
あった!
「水澤先生?手を出して下さい」
「えっ?」
「いいから」
「こうか?」
水澤先生は手を差し出して手の平を上に向けた。
「はい、慰謝料」
私は水澤先生の手の平にキャンディーをひとつだけ置いた。
「慰謝料払ったから明日の片付けは1人でして下さいね」
私は水澤先生にそう言ってニッコリ微笑んだ。



