「水澤先生?」
「あー?」
開けていた窓を閉めながら水澤先生はダルそうに返事をした。
「今日はって、どういう意味ですか?」
「そのまんまだけど?」
「明日もあるってことですか?」
「そう。明日も放課後に片付け手伝ってね」
水澤先生はそう言って笑顔を見せると、再び窓を閉め始めた。
「ちょ、ちょっと待って!今日だけの約束でしたよね?」
「えっ?そんな約束いつしたよ?」
騙された……。
「私、明日は無理です!文化祭も近いし、部活を2日も休むわけにはいきません!明日は水澤先生、1人でして下さい!」
私は長テーブルに置いていたカバンを乱暴に取ると、資料室から出て行こうとした。
けど……。
私の腕は水澤先生にガッチリ掴まれていた。
いつの間に……。
「慰謝料……」
水澤先生は私の耳元でそうポツリと呟いた。
水澤先生の息が耳にかかり、背中がゾクゾクする。
ドキドキと胸が煩い。
足の力が抜けて今にも崩れてしまいそうになる体を気力だけで必死に支えていた。



