床に散らかったものを片付け始めて、どれくらい時間が経ったんだろう……。
もー!なんで終わらないのよ!
腰痛いし。
私は体をグーンと伸ばして、腰をトントンと叩く。
「ババアかよ」
「えっ?」
ドアの方を向くと、そこに水澤先生が立っていた。
しかもクスクス笑ってるし。
三十路の人に言われたくありません!
「まだ全然片付いてねぇじゃん」
「はぁ?これでも頑張ってやったんですけど?」
ムカつく。
自分は職員会議を理由に逃げたくせに!
水澤先生は私の隣に来ると、無言で頭をポンポンとしてきた。
そして何事もなかったかのように床に散らかったものを拾っていく。
私はその場にボーと立ち尽くしたまま、自分の両手を頭に持っていった。
水澤先生に頭をポンポンされた感触がまだ残ってる。
さっきのことを思い出して、胸が急にドキドキし始めた。
さりげなく、そういうことをするって事は女慣れしてるってこと?
まぁ、水澤先生くらいイケメンだったら女慣れしてて当たり前か。



