椅子に座り俯く私。
水澤先生にポンと肩を叩かれた。
さっきまでの意地悪な笑顔とは違って満面の笑みの水澤先生。
こんな時でも私の胸はドキドキと煩い。
「ビックリしたよ〜!教室に入ったらビンタ女がいるんだからさぁ」
水澤先生はそう言ってクスリと笑う。
ビ、ビンタ女!?
確かにあの時、ビンタしたけどさ。
だからって……。
…………って、あっ!
だから水澤先生は私を見た時に驚いた顔をしてたのか……。
私は水澤先生を見ても思い出さなかったのは、あの時お化け役でメイクをしてたのと、私の記憶の中からすっかり抜けていたから。