「で、何か用ですか?」
「校長から、ここを好きに使っていいって言われてさぁ。ラッキーなんて思ってたんだけど……。来てみたら、こんな状態じゃん?」
「何が言いたいんですか?」
まぁ、そこまで言われたら水澤先生の言いたいことはわかるけど。
「大倉、頼む!」
水澤先生は自分の顔の前で手を合わせ、頭を下げてきた。
「掃除を、手伝ってくれ」
先生はそう言って顔を上げてきた。
やっぱり……。
「私、部活で忙しいので無理です。失礼します」
私はそう言って椅子から立ち上がり、ドアの方へ歩いて行こうとした。
その時……。
「ちょ、ちょっと待ってて!」
水澤先生はそう言って、私の腕をガッチリ掴んできた。



