振り返ると、笑顔の水澤先生が歩いていた。
「よぉ!遅くなって悪いな」
「いえ、私も今来たとこですから……」
「そかそか」
水澤先生が社会科資料室に入る。
それに続いて私も入った。
資料室の中は散らかってて、埃っぽいと言うかカビっぽいって言うか……。
なんなジメジメした感じがした。
「適当に座って?」
水澤先生はそう言って、持っていたものを長テーブルの上に置くと窓を全開にしていった。
私は言われた通りに側にあった椅子に座った。
「俺の歓迎会してくれるらしくて、予定とか聞かれたり、希望の店とか聞かれたりしてたら、すっかり遅くなっちゃったよ」
水澤先生はそう言ってクスリと笑った。
「そうですか……」
校内とは言え、滅多に人なんて来ない第2校舎。
しかも4階の1番突き当たりの社会科資料室。
水澤先生と2人きりの空間にドキドキしていた。



