「裕紀乃?これ……」
お母さんはテーブルに通帳と印鑑を出して来た。
「裕紀乃が高校を卒業したら渡そうと思って」
「これ……」
「あなたのために少しずつだけど、ずっと貯金をしてたの。これをこれから増やすのも使うのも裕紀乃の好きにしたらいい」
「お母さん……」
「あとね、さっきお金に関しては迷惑かけないからって言ったけど、迷惑かけていいんだからね。裕紀乃は何歳になっても私の娘なんだから。バイトは大学に入ってからも出来るんだし、今は勉強を頑張りなさい」
お母さんはそう言ってクスッと笑った。
初めて見た母親らしい態度に、戸惑いながらも嬉しくて私の目に涙が溜まっていった。



