「あのね、お母さん?」
今なら話せると思った。
水澤先生のことを。
「何?」
「明日、水澤先生に会おうと思ってる」
「えっ?」
お母さんは目を見開いて私を見た。
私はお母さんに今日、七海先輩が教えてくれたことを話した。
「お母さんには黙って家を出るつもりだったけど……」
「そう。龍くんに会ったら自分の気持ちをしっかり伝えて来なさい。私のように後悔しないようにね。話してくれて、ありがとう」
お母さんから出た“ありがとう”の言葉。
もしかしたら私が物心ついてからは言われたのは初めてかもしれない。
メニュー