水澤先生がお母さんの手を振り払う。
「龍くん?」
「遅いんだよ……」
「えっ?」
「もう遅いんだよ!俺は、お前のこと好きじゃねぇんだよ!お前には憎しみしかないんだよ!」
「そんな……」
お母さんは俯いて呟くようにそう言った。
「もう帰れよ」
「龍くん……」
「帰ってくれ。ゲームは終わったんだ」
水澤先生はそう言ってソファーから立ち上がり、私の前を通ってベランダに出た。
鼻をすする音が聞こえ、お母さんが泣いてることがわかる。
お母さんは私の方を見ようとせず、力なく立ち上がるとリビングを出て行った。



