「だって!あれは……仕方ないじゃない……」
「仕方ない?約束したのに?」
水澤先生は少し悲しそうな顔をしていた。
本当にお母さんのことが好きだったんだと思うと、私の胸がチクチク痛んだ。
「そうよ……だって……仕方なかったんだもん……」
お母さんは小さな声でそう言った。
「翠が他のヤツと結婚して、俺がどんな思いでいたかわかる?」
お母さんは首を左右に振った。
「胸にポッカリ穴が空いたように虚しくて悲しくて……。翠を忘れるためにいろんな女と付き合って……でも虚しさが埋まることはなかった……」
「龍くん……」
「虚しさが、だんだん憎しみに変わり、俺は翠に復讐しようと思って……」
私は水澤先生の話をただただ聞いてるしか出来なった。
水澤先生の辛い過去を……。



