『裕紀乃!まだ帰ってないの?』
私が“もしもし”と言う前にお母さんの声が耳元に響いた。
あまりにも大きな声に、スマホを少し耳から離す。
「今日は帰らない」
『えっ?ちょ、どこにいるのよ!』
「友達の家」
『ホントに?』
「本当だって!」
その時、水澤先生が私を呼んだ。
ヤバイ!
慌ててスマホの通話口を押さえる。
『ちょっと!本当に友達の家なの?』
「そうだって!」
『でもさっき……龍くんの……』
「とにかく今日は帰らないから!」
私はお母さんの言葉の途中にそう言って慌てて電話を切った。
ヤバイ……バレたかも……。



