カフェを出て、駅で七海先輩と瑞葵と別れた。
プレゼントのマフラーを巻いてるから首が暖かい。
駅の改札を通ろうとした時、スカートのポケットに入っているスマホがブルブル震えた。
横に避けてスマホを取り出す。
水澤先生かな?と少し期待してスマホの画面を見た私は小さな溜息をついた。
もぉ、また?
着信相手はお母さん。
あの日からストーカー?と思うくらい頻繁にお母さんから着信がある。
多分、水澤先生と一緒にいないか監視するためなんだろうけど。
てか、お母さんには付き合ってることは言ってないのに、七海先輩と同じように女の勘が働いてるのか。
「もしもし?」
『裕紀乃?今、どこ?』
今まで放置してたくせに。
「◯◯駅。これから帰るとこ」
『◯◯駅?何でそんなとこいるの?』
学校の最寄駅より遠くの駅にいることに不信感を抱いてるんだろう。
「今日、私の誕生日だから七海先輩と瑞葵が、◯◯駅の近くのカフェでお祝いしてくれたの」
『あっ……』
お母さんの口から出た小さな声。
多分、誕生日だと言うことをすっかり忘れてたんだろうな。
「電車の時間だから切るよ?」
『早く帰って来なさいよ』
お母さんはそう言って電話を切った。
家にいないくせに。
偉そうに言って……。



