クラスの女子ほとんどが茉莉花の周りに集まる。
「裕紀乃?代わりの先生イケメンだって!」
瑞葵は目をキラキラ輝かせながら興奮気味にそう言った。
そして私の返事を聞く前に瑞葵は茉莉花のところに行ってしまった。
「イケメンって、マジで?」
「うん!さっき、用があって職員室に行ったらね、ちょーイケメンがいてさぁ。側にいた先生に聞いたら麻子ちゃんの代わりの先生だって教えてくれた」
「うそー!」
「マジか!」
茉莉花の周りの女子はキャーキャー騒いでる。
まるで芸能人が来たみたいに。
私もイケメン好きだし、興味がないと言ったら嘘になるけど、久しぶりの学校で既に疲れ果て一緒に騒ぐ元気がない。
イケメンの先生……。
どんな先生なんだろうなぁ……。
私は窓の外から見える雲を見ながらそんなことを考えていた。



