水澤先生が玄関の鍵を開けてドアを開けた。
「じゃあ、私はこれで……」
部屋まで送り届けた私は玄関の前でそう言った。
「上がってく?」
「えっ?」
水澤先生の口から出た言葉に、思わず驚いてしまった。
「私がいたら寝れないでしょ?」
「病院で注射してもらったら調子が戻って来たし大丈夫」
「でも……」
いくら調子が戻ってきたと言っても数時間前まで高熱があったんだよ。
「それに、腹減ったし、ケーキも食いたいし」
「えっ?」
「ケーキ、買って来てくれたんだろ?冷蔵庫の中見た」
水澤先生はそう言ってクスリと笑った。