「龍くん、助手席に乗って?裕紀乃は後ろね」 座るとこまで指定されるんだ。 まぁ、こうなることはわかっていたけど。 私は後部座席のドアを開けた。 「俺、後ろに乗るから大倉は助手席に乗りなよ」 水澤先生はそう言って、私の脇をすり抜けるように後部座席に乗り込んだ。 お母さんは少しだけムスッとした顔をしていたけど、何も言わなかった。 私は助手席のドアを開けて乗り込む。 「翠?先に俺を送ってね」 後部座席からそう言った水澤先生を無視して、お母さんは車を走らせて病院を後にした。