会計を済まし、薬をもらって外に出た。
「車で来たから送って行くわ」
お母さんは水澤先生に笑顔でそう言った。
その顔から笑顔がなくなったと思ったら、私の方を向いたお母さん。
「そういうことだから。裕紀乃は1人で帰れるわよね?」
「えっ?」
私も当然、お母さんの車に乗って帰れると思ってた。
「翠、仕事抜け出して来たんだろ?」
「仕事はいいのよ」
でもさっき電話で、仕事に必要だって忘れ物を私に届けさせようとしてたじゃん。
「いいことないだろ?それに、俺だけ車で送って行って、娘である大倉を1人で帰らせるのもおかしいだろ」
水澤先生にそう言われたお母さんは、ギュッと唇を噛み締めた。



