水澤先生は私のスマホを持って外に行ってしまった。
お母さんと何を話してるんだろう……。
1人で待ってる間、胸がモヤモヤしていた。
「水澤さーん!」
診察室から看護師さんが出てきた。
ヤバイ。
水澤先生は今外にいる。
どうしよう……。
「水澤さーん!水澤龍太さーん!……あれ?」
「あ、あの!」
私は看護師さんに声をかけた。
「あ、えっと……」
先生って単語を出していいのか……。
「水澤さんの付き添いの方?」
「は、はい。あ、あの……あ、兄はトイレに……」
つい兄だと嘘をついてしまった。
「じゃあ、トイレから帰って来たら熱を測るように言ってもらえる?」
「はい、わかりました」
私は看護師さんから体温計を受け取った。



