「もしもし?」
『ちょっと!何やってるのよ!』
えっ?
まさか本当に側にいるの?
お母さんの第一声を聞いて、思わず周りをキョロキョロと見渡した。
「何って……ちょっと……」
お母さんには水澤先生と一緒にいるなんて言えない。
『忘れ物したから、持って来てくれない?』
「えっ?無理」
『今日、どうしてもいるものなの。リビングのテーブルの上に置いてあるから。A4サイズの茶色が。それを持って来て。どうせ暇でしょ?』
「今、家にいないし、無理だから」
私はそう言って、お母さんが何か言う前に電話を切った。
スマホを握りしめて、病院の中に入り水澤先生のところに急いだ。



