「やっぱり薬だけでも買って……」
「なぁ、大倉?」
私が最後まで言い終わる前に、水澤先生が言葉を被せてきた。
「はい?」
「お前、今日部活あるだろ?」
「はい……」
昨日、休みだったから今日は朝から夕方まで部活がある。
でも水澤先生が心配で部活どころじゃないよ。
それにまだ水澤先生から何も聞けてないし……。
「部活に行け」
「嫌だ……」
私は首を左右に振った。
「水澤先生が心配だから部活には行かない」
「大倉……。俺は大丈夫だから。それにこの前あんなことがあって、休むと行きづらくなるぞ?」
「それでも……」
「いいから。部活に行け」
「じゃあ、部活が終わったら、またここに来ていいですか?」
「あぁ、いいよ」
「わかりました」
夕方、部活が終わったら薬を買ってまたここに来よう。
それまで水澤先生の熱が下がってますように……。