「裕紀乃はさぁ、水澤先生のこと好きなんでしょ?」
「うん……」
「1回振れたからって、そこで諦めるの?裕紀乃の水澤先生への気持ちって、その程度なの?」
七海先輩……。
私のために、そこまで言ってくれる七海先輩の優しさに泣きそうになった。
瑞葵も“うんうん”って頷いてる。
「もし水澤先生が裕紀乃のお母さんに気持ちがなかったらチャンスじゃん」
「でも、もし気持ちがあったら……」
どうしたらいいの?
やっぱり水澤先生に気持ちを聞くのは怖い……。
「その時は振り向いてもらえるように頑張ったらいいんじゃない?」
さっきまで黙っていた瑞葵がそう言った。
「そうだよ!そんな訳で、これ食べたらプレゼント見に行くよ!」
七海先輩はそう言ってランチを食べ始めた。
水澤先生に気持ちを聞いてみる。
もし水澤先生が……お母さんを……。
そんな答えが出たら怖い。
でも水澤先生を諦めたくない。
それは水澤先生が好きだから。



