【先生×生徒シリーズ】体も心も全て壊して、私だけ愛して?




♩〜♩〜♩〜


スマホのLINEの受信音が鳴った。


七海先輩からだ。



『瑞葵とゲート側のショップで待ってる』


『すみません!すぐ行きます!』



私は七海先輩にLINEを送り、ソファーから立ち上がった。



「非常出口、あっちだから」



お化け……じゃなくて、お化け役が扉を指差してそう言った。



「あ、あの……ゲートまで連れて行って、もらっていいですか?」



多分、日が落ちて外は真っ暗で人もいないと思う。


遊園地の1番端っこにあるお化け屋敷からゲートまで1人で行くなんて嫌だった。



「はぁ?俺さぁ、この後ここの見回りと点検、片付けが待ってんだわ。お前に構ってる暇なんてないっつーの」



そんなぁ……。


でも、ここにいつまでもいるわけにもいかず。



「わかりました。ご迷惑をおかけしました」



私はお化け役に頭を下げた。



「気を付けてな。あっ!そうだ」



扉を開けようとした私の手が止まった。



「ここ、出るって噂あるから」


「はい?」


「本物の幽霊」



お化け役はそう言ってクスリと笑った。


うそ……。


目を見開いてお化け役を見る。


マジで?


てか、なんで帰る時になって言うかなぁ……。


しかも私1人だし、外は暗いし。