「でも、ひとつだけ言えるのは、アンタを妊娠しなかったら龍くんと結婚してたかもね」 「えっ?」 お母さんの言葉に私は目を見開いた。 「龍くんとはね、結婚の約束してたから」 お母さんはそう言って“ウフフ”と笑うと、テーブルに置いてあった写真を手に取って見始めた。 私は何も言えずにリビングを出た。 急ぎ足で部屋に戻り、部屋のドアを閉めるとそのままベッドの上に倒れた。