その時、手から写真の束が消えた。
えっ?
「人の写真を勝手に見ないで」
後ろから聞こえるお母さんの声。
振り向くと、後ろにお母さんが立っていて写真を大事そうに持っていた。
「だったら、こんなところにこれ見よがしに置いとかないでよ」
「私の写真を私の家のどこに置こうが勝手でしょ?」
お母さんは私の手から取った写真をまたテーブルの上に置いてキッチンに行った。
しばらくしてトレイに乗せた紅茶を持ってリビングに戻ってきた。
大事な写真を片付けようともしないでそのままで、私の前に紅茶の入ったティーカップを置く。
お母さんは私の向かいのソファーに座った。



