「……紀乃?……裕紀乃?」 「…………ん」 目をゆっくり開けると、目の前にお母さんの顔があった。 私はベッドから勢いよく上半身を起こす。 私、あのまま寝てたんだ……。 「今、何時?」 「20時よ」 「何か用事?」 普段、娘の部屋になんて入ってくることないのに。 「裕紀乃に話があるの」 「話?」 何の話だろう? もしかして水澤先生のこと? 「リビングに来て?」 お母さんはそう言って部屋を出て行った。