でも、違う女と付き合っていても心のどこかでは翠のことを想っていたんだ……。
だけど、俺が中学3年生のある日ーー。
それまで、よそよそしくしていた翠が夜中にコッソリと俺の部屋に来た。
その顔は頬は殴られたように真っ赤で口の端は切れて血が出ていた。
言葉を失った俺に翠は……。
ーー龍くん、私ね結婚するの。
ーーはっ?学校はどうすよだよ?
ーー辞める。
ーー辞めるって……お前……だって翠には……。
ーー赤ちゃんが出来たの……。
翠からの突然の告白。
そんな翠は泣いていた。
切ない目をして、涙をポロポロ零し、声を殺して泣いていた……。



