「吉川先生?」
俺はパソコンに向かっている吉川先生に声をかけた。
「何でしょう?」
「これから社会科資料室で残ってる仕事を片付けたいので、職員室の戸締りだけお願いしていいですか?」
「いいですよ」
吉川先生はそう言ってニッコリ微笑んだ。
「スミマセン」
「仕事ばかりしてたら彼女が悲しむわよ。ほどほどにね」
吉川先生はそう言ってクスッと笑った。
「彼女いないんで大丈夫ですよ」
「あら、そうなの?」
目を丸くしてそう言う吉川先生は、自分の母親と同じぐらいの年配の女性で親しみやすい。
「吉川先生こそ、早く帰らないと旦那さんが悲しみますよ」
「あ、うちはいいのよ。もうラブラブな新婚じゃないし」
吉川先生はそう言ってケラケラと笑った。



