水澤先生と向かい合わせで宅配されたピザを食べていた。
ドキドキと緊張でピザの味なんか全くわからない。
ただ、口の中に入れて咀嚼して胃の中に流し込むだけ。
「水澤先生って、料理しないんですか?」
黙々と食べる雰囲気に耐えられなくなった私は水澤先生にそう聞いてみた。
「何で?」
「いや、冷蔵庫の中、空っぽって言ってたし、キッチンのシンクはカップラーメンの空き容器しかなかったから……」
「あー……時間がなくてなかなか……ついついインスタントものに頼ってしまうんだよな……」
「もう歳なんだから体を労わってあげて下さいね。インスタントものばかり食べてたら体壊しますよ?」
「歳なんだからってねぇ……。まぁ、大倉から見たらオッサンだけどさ」
水澤先生はそう言ってピザを一口食べた。



