「あ、あの水澤先生?」
「ん?」
水澤先生はスマホでゲームをしてたみたいで、それをやりながらそう返事をしてきた。
「お願い決まりました」
「そっか、で、何?」
「その前に、私の話を聞いてもらっていいですか?」
「いいよ」
水澤先生はスーツのポケットにスマホをしまい、私の方を見た。
「明日、文化祭で吹奏楽部が演奏するの知ってますよね?」
「あぁ、一応、副顧問だし」
「演奏の中で、私のソロがあるんです」
「すげーじゃん」
「間違えてばかりで成功したことないんです。でも自分が望んだことだし吉川先生も個人的に指導してくれたりして、だから辞めたくなくて……」
「うん」
「だから失敗ばかりだけど頑張ってきたんです。だから、ね、先生?明日、もしそのソロ演奏が成功したら……私と、その、えっと……デートして、下さい!」
私はそこまで言って勢いよく頭を下げた。
七海先輩?私、当たって砕けましたよ!
明日、七海先輩の胸を借りて大泣きさせて下さい!
「いいよ」
…………はぁぁぁぁ!!!



