「はぁ....はぁ......なん.....なの.....?」
清羅は「何か」に追いかけられていた。

振り返った瞬間に背中に寒気が走った。
やばい気配が清羅の背中を刺していたのは分かっていた。振り返ったら、何か面倒に巻き込まれる気配であるのも分かっていた。
けれど、振り返ってしまった。

「何か」はちゃんとした形をしていなかった。例えるならばジェル状の体の形が変化するタイプ。それは私と目があった途端に目を光らせ、追いかけてきた。

清羅はスポーツは好きだが、長距離は不得意だった。

「はぁ....なぁ....もう.....だめ.....」
追いつかれる....!いくら剣道が強くても刀や棒状の何かがなければ、清羅は無力に等しかった。

「何か」と清羅の間、3cm。