「あ、そういえばもうちょっとで絢斗さんの誕生日じゃなかった?」








「そーなの。多分みんなのとこにも招待状行くと思うけど、来れなかったらほんとに断っていいからね。」








絢斗とは、久遠絢斗。
つまり私のお兄ちゃんだ。
今年で20歳になる。








「まさか。絢斗さんの誘いを断ったら後でどんなことされるか恐ろしいわ。」








「俺はもう2度と断らないって決めたぞ。」









そう。
去年断ったらどうなるんだろうって話になって、試しに柊音くんと火蓮が断ってみたんだった。





そしたら、お兄ちゃん火蓮には鬼電するし、柊音くんには鬼のようにメール送るしで大変だった挙句、別日に祝わされたんだって。








「あの執着心はやばいわ。」








「想空くんも予定大丈夫なの?」








「俺は毎年あけてるから大丈夫だよ。」








そして、学校について靴を履き替え教室に向かう。









「あ、雨宮先輩と中川先輩だ。」

「今日もかっこいい〜。」

「あんな人が彼氏だったらなー。」









なんて声が聞こえてくる。
想空くんは私のだもん。
言葉には出さないけど顔にはでてたみたいで。









「恋華。心配しなくていいから。むしろ俺の方が心配だよ。恋華押しに弱いから。」









「そ、そんなことないもん!」









「わかってないくせに。」









そう言って笑う想空くん。
何のことだかよく分かんないけど、
柊音くんと火蓮は何のことかわかってるみたい。




なんなんだろう?