「ちょっと~!付いてないじゃない!」
「はは、騙されんなよ」
騙されんなよって!そんなくだらない冗談言うとも思えないじゃない!
まったく!意地悪なんだから!
「そうだ、今からちょっと職場の人に会うことになっててね」
スグル君が口を開いた。
「そうなの!スグル君の職場のお友達とかとも会おうって言ってて」
ねっ?っと千代とスグル君が顔を見合わせる。
それじゃあ私達は関係ないし、別行動の方がいいかな?猛は人見知りだし・・・。
そう思っていると、スグル君が言葉を続ける。
「で、よければ澄子ちゃん達にも来て欲しいんだ。もちろん観光とかしたければ無理にとは言わないんだけど、人数も多いほうが楽しいし」
私は大人数で話したり、行動するのはダイスキ。
色んな話が聞けるし、なんと言っても楽しい。
でも・・・
「いえ!私達は観光「いいですよ。楽しそうじゃないですか」」
・・・へ!?
私の言葉を遮ったのは、もちろん猛の声。
低く、甘いダイスキな声。
「たっ猛?」
「何?お前は観光したいか?」
いつのまにか私の手の上に猛の手のひらが重なっていた。
「うっううん、行きたいけど・・・」
「じゃあ決まりだな?」
ギュッと手のひらを握り返す。
人からしたら、そんなに大したことじゃないだろうけど、
猛は本当に昔、自分の殻に閉じこもる人だったから。
私以外の人は受け付けないような人で、顔も態度も随分丸くなったね。


