長い濃厚なキスを交わす。
機内から、伝えようとしていた気持ちをぶつける様に。
俺は不器用で、澄子が期待するような言葉も持ち合わせてないけどこうやってなら伝えられる。
「はっぁ・・・んっチュ」
俺の背中に回る腕が、痛い程食い込む。
これは、いつも“もっと”というときにする澄子の癖だ。
ここで“もっと”はまずいだろ・・・。
珍しく澄子より理性がある頭でそう思う。
だけど身体は正直で唇も舌も離そうとはしない。
「はぁ・・・」
少しだけ酸素を取り入れるために唇を離す。
離したと言っても、一ミリにも満たない距離。
好きだっと言う意味を込めて、もう一度ぶつけようとすると、
「柚くん・・・まだぁ?」
後ろからそう声がして振り返ると、澄子のダチがキョトンとした顔で俺達のことを見ていた。
「・・・」
すっと離れると、顔を赤くして物足りなさそうな顔をした澄子も親友の存在に気づいたようだ。
「ぎゃ!!千代ごめん!!」
きゅっと唇を手の甲で拭う。
「いいよ千代もトイレ言ってたし♪」
にこ~っと笑いながら普通にそう答えるダチ。
・・・それ関係なくないか?
澄子のダチの返答に思わず笑いながら、俺もとりあえず悪いと謝った。
「じゃあスグル君の所へしゅっぱ~つ!」
何故かテンションが上がった二人はパタパタと空港内を走り出した。


