「あそこのカップルの彼氏、超かっこいい~」
トイレから戻ろうとすると、店員さんの女の子達がこそこそと話しているのが聞こえてしまった。
しかもその店員さん達の目線の先にいるのは・・・
想像していた通り、猛だった。
「!」
しかも私が頼んだお水を持ってきただろう店員さんに、猛が笑いかけていた。
私にとって、猛の笑顔はすごく特別なもの。
それが作り笑いだって、猛の“笑顔”は、私だけのものなの。
猛の存在を、“私のもの”には出来ない。
猛にも生活があるし、猛を所有物にしたいわけでもない。
だけど、猛の笑顔だけは・・・私にだけ向けて欲しい。
今までずっと猛の笑顔は私にしか向けられなかったから・・・猛が他の女の子に笑顔を向けているなんて・・・
黙ってみているわけにはいかないのよ!
「今!なんで笑ってたのよ!」
猛にそう問いただしても“変な想像するな”それだけ。
別に変な想像しているわけでもないけど、ただ・・・
これってヤキモチなのかな・・・。
「むむむむ」
カフェを出たあとも、疑いの目で猛を見つめる。
「ったく。本当にお前は昔から変なヤキモチ妬くのだけは変わらねーな」
くくっと笑いながら私の手を握った。
私がヤキモチを妬くとすぐご機嫌になるんだから。
「ふんっ猛がかっこいいから、いけないんだからねっ!」


