「ったく!また泣く」
「だってぇ」
自分が情けないんだもん。
なんで何を言っても上手く伝えられないの。
ただ、親友とその彼に猛のこと紹介したいって思っただけなのに。
負けないくらいラブラブだよって自慢したいだけなのに。
「あのなぁ。確かに俺は人見知りで、初対面のやつと会うのとかは嫌いだけど」
ゴシゴシと服の袖で不器用に拭いながら、猛が喋り出す。
「嫌いだけど?」
「今までお前の頼みごととか、自分なりに叶えてやろうとは思ってんだよ」
自分なり、と言うか・・・私の頼みごとや我侭はなんだかんだ全部叶えてくれてるよ?
「だから、なんつーか・・・いつも言ってんだろ?」
フイっと横を向いて、言葉につまる猛。
「・・・」
そうだね、いつも猛は優しいけど・・・あまのじゃくなんだよね。
頼めばイヤだって言うし、イヤだって言えば強情だし・・・。
だけど、最後には絶対私の言うこと・・・大切にしてくれる。
私の頼み、聞いてくれる。
バンっと机を叩きながら立ち上がる。
「猛っお願い!親友とその彼に猛のこと自慢したいのっ!千代は猛の事知ってるけど・・・
すっごい、すっごい素敵な彼なんだって紹介したいのっ」
「澄子、声でかい」
「お願い!お願い聞いてくれないと・・・!!」
「なに?」
ようやく、自分の言いたいことが私に伝わっていつも通りの猛になる。
「エッチ、一ヶ月無しだからね!」
こうやって、ワガママ言わせてくれようとしてるんだよね。


