『私』だけを見て欲しい

理由を聞かされた。
思い出したくもない過去と重なってく。
自分が子供の頃と同じ。

泰は…部活仲間達から…イジメられてたーーーーー



シカト、ぼっち、イタズラ、からかい…

やってる方はきっと、悪意も何もなかったと思う。
最初のうちは、多分、面白半分だったはず。

うまく対応できない方がワルい。
そんな悪い風潮が、現在も過去も、きっと子供達の中にある。

泰は、同じクラスの子達からも、同じように扱われてた。
父親のいない生活を強いてきた時間は、あの子を優しい子に育ててくれたけど、周りからすると少しヤワで、歯応えがなくて、からかうには絶好の相手だった。

優しいだけじゃない。
我慢強くて、滅多と音を上げない性格でもあった。
その話を母にグチったのも、きっと、もう泰自身の限界が近かったからだと思う。

「…泰良はね…この一週間、毎朝、頭とお腹が痛い…って言ってたんだよ。結衣には言わなかったけど、学校の先生からも何度か心配だ…って、お電話頂いてたの…」
「お母さん…なんでもっと早く教えてくれなかったの⁉︎ …あんまりじゃない!」

…自分が子供だった頃とはイジメも違う。
根が深くなってからでは遅すぎる。

「結衣…あんたはそう言うけど、自分が子供の頃はどうだった?お父さんや私に言ってた?」


ーーー言わなかった。
言って心配をかけたくなかった。
イジメはいつか終わる。
ターゲットはコロコロ変わると、分かってたから…