無気力な彼は、たまに意地悪





なら私に借りるのやめなよ、っていうツッコミはやめておいた。


私もいつもアキちゃんに借りに行ってるから、次忘れた時に貸してくれなくなりそうだもん。


アキちゃんに数学の教科書を渡すと、代わりに返ってきたのは



「また、飴くれるの?!」



「だってコハ、それ好きでしょ?」




貰いもんだけどね、とだるそうにポケットに手を突っ込みながら言うアキちゃん。




「お弁当を忘れていったことも覚えてないバカには、あげたくないんだけどね」




そう告げて、じゃ2限までに返すわ〜と手をヒラヒラさせながら自分の教室に戻っていく。




するとタイミングよくなるチャイム。




アキちゃんが来た時はどこかに行っていたはずのちーちゃんがいつの間にか隣にいて




「わざわざ休み時間まで…過保護だねぇ」



そうつぶやいた意味は私にはよく理解できなかったけど………、