不安な顔で子供たちが見つめる中、
ツヤコおばさんは克英のおなかをさすり、

「ここじゃ、もう少しの辛抱」
といいながら、
「医者には行かんでいい、ちょっと時間はかかるが
がんばるんじゃ」

そう言って一晩中、時々吹き払いをしながら
さすり続けて、
「もうちょっとじゃ、ここまで来ておる」

そう言ってスミエ姉さんをはじめ皆に
克英のおなかを触らせてくれた。

硬いしこりが大腸を少しずつ移動して、
明け方真っ黒い塊のうんこがでた。

克英はその直後嘘のように元気になった。
単なる便秘ではなかったようだ。

その後八百ばあばがなくなってツヤコおばさんは
立派な跡取りになった。