いくら暴れてもびくともしない

「なんだ海斗ナンパか?」

チームのみんなが面白がって声をかける。


「拾った!」

笑いながら海斗は答えた。


名前…海斗って言うんだ…




なかば抵抗するのも諦めたキラは逆さになりながら、

名前もカッコいいな~…なんて思っていた。







海斗はキラを自分のバイクの後ろに乗せると

「行くとこないなら一緒に来いよ。ここにいるよりマシじゃね?」


と、キラに微笑んだ。


きりっとした、こわもての顔がくしゃっとなり海斗の目尻が下がった。


(この笑顔反則…)

どうせ、帰っても誰かと話すわけでもないし私がいてもいなくても誰も気にかけない…

毎日同じように過ぎていく

独りの夜を虚しく寂しく過ごすだけだ。


だったら今日だけでも違う夜を過ごしたい!

彼とだったら今まで味わった事のない刺激的な夜を過ごせる気がした




キラはコクッっと首を動かした。