まだ夏になるには早い6月。

生暖かい風があたしを包む。

放課後の学校は開放感がある。

あたしはいつもの日課、アイツがいる資料室に向かっていた。

「恭吾〜〜。」

「おい、学校では先生って呼べって何回言えば分かるんだよ。」

「いいじゃん、ここは誰もこないんだから。」

資料室にはあたしの内緒の彼氏がいる。

メガネが良く似合う、担任でもあり彼氏でもある男。

校内は喫煙禁止だけど、資料室がタバコくさいのはこいつのせい。
来るたびいつもタバコをふかしている。

「彼氏さん、クビになりますよ?」

「教師と付き合ってる悪ガキにんなこと言われてもねぇ。」

「校内でタバコ吸ってる不良教師に言われたくないね。」

よく言うよ、というような顔をして恭吾は私の近くに寄ってきて後ろのドアに鍵をかけた。