風は囁く「君と輝きたいから」

「コンサートが終わるたび、疲労感が半端なかった……」


「そんなに?」

緒方の今にも泣き出しそうな顔が、じっと見つめている。


「燻っていたものが、すーっと楽になった」


「入院した時?」

緒方が懸命に、涙を堪えようとしている。


「……何も恐くないと思った」


「週刊誌の記事が出た時も?」


「あれは……」


「あの動画は?」

緒方は何を聞き出したいのか、悪戯っぽく笑う。


「趣味が悪いよな」


「後悔はしていないって本当に?」


「ああ……無駄なことなど何1つない」


「彼らの『君と耀きたいから』がコンサート以降、ランキングのトップ10入りしてるんですって」