風は囁く「君と輝きたいから」

俺は、詩月さんがXCEON のメンバーではないことを改めて思い知らされる。

詩月さんがコラボを外れたら……。

詩月さんが留学したら……。

詩月さんが、居なくなるかもしれない不安と寂しさを考えると、どうしていいかわからなかった。

あんなに前向きに頑張ろうとする人を知らなかった。

俺は、あんなに一生懸命頑張っている人を、今まで知らなかった。

週刊誌の記事や動画、ローレライと言われても、親の七光りと言われても、ガダニーニ「シレーナ」を弾くヴァイオリニストと恐れられても……。

揺るがずに、真っ直ぐ突き進んでいく詩月さん。


「周桜さんが居てたから頑張れたんだ。周桜さんがめっちゃ頑張ってやるから、僕らも頑張らなアカンなと前を向けたんや」


「周桜さんが、どんなに辛くても笑顔でいてくれたから……頑張ろうと思えたんだ」

トランペットを吹く俺の後ろで、昴と空が叫んでいた。