「昨日……スポンサーとの件を聞いて、楽譜をもらった後……彼女から『ローレライ』と言われたんだ」
「『ローレライ』? 桃香さんに?」
「歌声で舟人を惑わし難破させるライン河の……」
詩月さんは、俺たちにもわかるように、簡単に言葉を選んで話そうとしているみたいだった。
なのに、郁子さんが詩月さんの言葉を遮り、容赦なく言い放ったんだ。
「つまりね。あなたの演奏は、聴いた者を惑わせ狂わせて、演奏できなくしてしまう。
『ローレライ』は、あなたの演奏は演奏家潰しだから、あなたとは競演したくない』という意味の隠語なの」
「……そんなっ」
俺たちは各々、ひきつったような声をあげた。詩月さんと目を合わせられない。
「緒方……君はオブラートに包んで言えないのかな。
それだと身も蓋もないだろう。言った方はもっと辛い筈なんだ……」
「『ローレライ』? 桃香さんに?」
「歌声で舟人を惑わし難破させるライン河の……」
詩月さんは、俺たちにもわかるように、簡単に言葉を選んで話そうとしているみたいだった。
なのに、郁子さんが詩月さんの言葉を遮り、容赦なく言い放ったんだ。
「つまりね。あなたの演奏は、聴いた者を惑わせ狂わせて、演奏できなくしてしまう。
『ローレライ』は、あなたの演奏は演奏家潰しだから、あなたとは競演したくない』という意味の隠語なの」
「……そんなっ」
俺たちは各々、ひきつったような声をあげた。詩月さんと目を合わせられない。
「緒方……君はオブラートに包んで言えないのかな。
それだと身も蓋もないだろう。言った方はもっと辛い筈なんだ……」



