風は囁く「君と輝きたいから」

「何してるんだ? こんな所で……仕事はどうした?」

詩月さんは、ガックリ項垂れて座っている俺たちに、優しく訊ねた。

郁子さんは詩月さんの隣で、小さく会釈した。


「詩月さん、どうして……」

詩月さんが何故、雨の中をわざわざ病院にまで訪ねてきたのか、不思議だった。


「訊ねているのは、こちらが先なんだが」

詩月さんは小さく眉をしかめる。


「さっきまで、昼前までレッスンや仕事やってん。今は空き時間で、番組の録りは夕方からやから」

昴が暗い表情でこたえる。


「マネジャーが交代、本当なのか?」

俺は詩月さんの問いかけに、項垂れたまま溜め息をつく。


「もう、知ってるの?」

空が目を丸くする。


「ニュースが流れていた」


「ニュース? 詳しい事情は、俺たちも知らない。ついさっき、電話で急に知らされたんだ」


「大人の事情だからってやつ……か。マネジャー……舞園さんは?」