風は囁く「君と輝きたいから」

会って何を話すのか?
会って何を話されるのか?
気持ちの整理がつかない。
すれ違う気持ちをぶつけ合うだけではないのか?


そう思いながら、それでも桃香さんは俺たちにとって、欠かせない大事な人だから、心配で。


なのに……。
会ってももらえない。
桃香さんと俺たちの間には、薄っぺらな信頼関係や絆しかなかったのか? と問いたかった。

会えないとわかっていても、一目でも会えたらと思ってしまう。

昼前から降りだした雨。
窓ガラス越しに雨音が聞こえる。

俺は窓ガラスを滑り落ちる雨雫を、泣きたいような気持ちで見つめていた。


「あれ!?」

勢いよく窓を開ける。

「ちょっ、遥。雨が入ってくるだろ」

空が閉めようとする。


「詩月さんだ……」


「えっ!? 周桜さん?」

透明なビニール傘。

薄い茶系の髪色、細身でヴァイオリンケースを濡れないように抱えた人は、間違いなく詩月さんだ。