_とうとう来てしまった……。


「帰るなら今のうちだぞ?」

「……ううん。 いつまでも避けてるわけにはいかないから、覚悟決める。 それにうーちゃんたちがいるから、大丈夫!!」

「まぁ無理すんなよ。」


今日は一週遅れてきーちゃんの高校の体育祭。

うーちゃんの話によると、聖園学園には秋ちゃんだけじゃなくて直ちゃんもいるらしい。

_もう関わりたくないって言われたけど、きーちゃんにお弁当届けるついでに少し観ていくだけだから別にいいよね?

たくさん自分に言い訳しているのは、まだ秋ちゃんの事が好きな証拠なんだろうなって思う。きーちゃんはそんな私の気持ちを知ってか知らずかは分からないが、『ココちゃんが大丈夫なら観に来てほしい。』と言ってくれた。


「午前の部最後のリレーに出るって言ってたよね?」

「あぁ、確かな。」


うーちゃんとグラウンドを見ると、最後のリレーはまだ始まっていない様だった。間に合った様で良かった。


「借り人二人三脚リレー……ってなんだろう?」

「なんだそれ。 知らね。」

「あ! あそこに並んでるのきーちゃんじゃない? 背が高いから見つけやすいね。」


グラウンドの真ん中に召集されているきーちゃんは、色んな女の子に話しかけられて忙しそうだ。