ある日の昼休み、直と恵奈と屋上で昼飯を食べていると勢いよく扉が開いた。扉から顔を出したのは一年の男だった。

話した事はないけどこいつの事は知っている。雑誌のモデルをしているとかで女子が雑誌をみながらいつも騒いでいる。


「何だてめぇ。」


一年は直にチラッと視線を向けると、俺の方へ歩いてきた。


「俺が用があるのは早瀬先輩です。」

「俺に? 何?」


俺を見下ろす一年男子は怒っている様に見える。が、その理由は全然分からない。


「市川 心の事で話がしたくて来ました。」

「っ!?」


_は? 何でこいつがココの事を?

直も恵奈も驚いた顔をしている。


「一年の吉良君だよね? ココとはどういう関係なの?」

「知りたいなら直接ココちゃんに聞けばいいでしょう。」

「てめぇ舐めてんのか!?」

「直!!」


一年の男、吉良に掴みかかった直を必死に止める恵奈。直に詰め寄られているにも関わらず吉良は表情一つ変えない。