めくるめく恋心

お昼休憩が終わり、みんなでグラウンドに向かって歩いていると、腕を引かれた。隣には心配そうな顔をしているうーちゃんが居た。


「大丈夫か?」

「大丈夫!とまではいかないけど、泣かないよ。 そんな資格ないって思うから……。 理由はどうであれ秋ちゃんたちに酷い事しちゃったのは私だから、泣いちゃダメなんだと思う。」

「そうか。 でも、あんま無理はすんな。」

「うん、ありがとう。」


思い出に浸って泣く資格なんてない。泣かない事が戒めだと思うから……。

うーちゃんに頭をくしゃっと撫でられた。


「きーちゃんは大丈夫かな?」


私と秋ちゃんの事を知ってから静かになってしまったきーちゃんの背中を見つめた。

_どうしちゃったんだろう?


「あいつはいじけてるだけだろ。」

「そうなのかな? もう終わった事なのにね……。」


自分で言っておきながら悲しくなる。終わったと思いたいだけで、まだ本当は終われていない。寧ろ終わりたくないって思っている。


「人の心配より自分の心配しろよな。 ボーっとしてリレーでこけんなよ。」

「こけたら助けに来てね。」

「ばーか。 そんくらい自分で頑張れ。」

「えー急に冷たい!!」