めくるめく恋心

「うわ!! どーしたの!?」


きーちゃんに思い切り抱き付かれた。その腕には簡単に振り払えないくらい力が入っていた。


「きーちゃん、どうしたの?」

「ただのヤキモチ!!」

「もー何それー。 変な事言ってないでご飯食べよ?」


一向に離れる気配がない。聞き分けのないきーちゃんは久しぶりだ。こうなってしまっては暫くはいう事を聞いてくれない。


「今日は特にひでーコココンだな。」

「コココンって何!?」


思わず蒼汰君に聞き返してしまった。


「ココちゃんコンプレックスの略っすよ。 こいつ俺と居る時もココちゃんの話しばっかりでスゲーんすよ。 ここまでスゲーとは思ってなかったからマジウケるんですけど。」

「吉良がコココンなら、心はウキョコンじゃね?」

「あはは言えてるー!! 心ちゃんの右京への懐き方は完璧ウキョコンだよね。」

「えぇー!? そんなに懐いてる!?」


愛と恭平の言葉にみんなが笑い始めた。変な空気になっていたけど、二人や蒼汰君のおかげで空気が和らいだ。


「右京の従姉妹じゃなかったら捻りつぶしてるし。」


欄先輩の一言に私一人背筋を凍らせた。